後悔することも。10代でバレエ留学した後の進路

アラフォーのバレエ
もふこ
もふこ

アラフォーでバレエ留学したもふこです。

私はバレエ学校で、ワガノワメソッドを教科書で学ぶコースに行きました。その期間に10代のプロを目指すコースの生徒さんたちに模擬授業をさせてもらったり、彼らのリハーサルを見学する時間もたくさんあり、日本人の留学生もたくさん見ました。彼らのその後の進路について。プロのダンサーになった子ももちろん多いのですが、果たして留学前に夢見た結果が得られたのか?について考えてみたいと思います。

 

この記事を書いているのはこんな人

この記事を書いているのはこんな人です
<もふこ>
5歳になるちょっと前からバレエを開始。
父の転勤で新潟に転居、近所の創作バレエ教室に転籍。
新潟で大幅にレベルダウンし、戻ったスタジオの先生に「がっかりした」と言われる。
当時中1だったが、小学低学年と同じクラスに入れてもらい基礎からやり直す
その後コンクールや、地区のバレエ協会の公演に参加。
ハンガリー国立バレエ学校のTeachingとCoachingのコースでワガノワメソッドを学ぶ。
大人になってもバレエ留学することはできますよ!

大人留学体験についてはこちら

 

 

この記事はこんな方にオススメです。

 

これからバレエ留学を考えている方

お子さんをバレエ留学させようとしている大人の方

 

バレエ留学する際の選択肢 ー どんなコースがあるのか?

同じバレエ学校でも、いくつかコースの選択肢があります。もふこが行ったバレエ学校はこんな感じでした

  1. 卒業後にディプロマを得られる1年生から9年生までのプロフェッショナルを目指すコース(座学・卒論あり)
  2. 留学生向けのディプロマ無しのプロフェッショナルを目指すコース(座学・卒論なし)
  3. 卒業後にディプロマを得られる現地語で授業する教師になるためのコース
  4. 卒業後にディプロマを得られる英語で授業する留学生向けの教師になるためのコース(2年間)
  5. 4.の後半1年だけ受けるメソッドが中心のコース(もふこが行ったのがこれ)

 

バレエ学校卒業後の日本人の進路

留学したから海外バレエ団にすんなり入れる、ということはありません。しかし、チャンスは日本にいるより格段上がります。ヨーロッパは地続きなのでバスや飛行機で簡単に色々な国にオーディションに行くことができます。学校でオーディションの情報を得ることも簡単にできると思います。

もふこが滞在していた時は、上記の1と2両方に日本人が何人かずつ学んでいました。彼らの進路はさまざま。

外国の国立バレエ団で主役を踊る大活躍をする人。彼女は学校にいる時から別格で、誰がみても納得の結果。学校公演でももちろんファーストキャストで主役を踊っていました。
外国のバレエ団のコールドになる人。これでも本当にすごいことです。ここからさらに経験を積んで上がっていくことももちろん可能だと思います。
外国のバレエ団のジュニアカンパニーという正団員の一つ下のグループに入る人。最近このジュニアカンパニーを持つバレエ団が増えています。ここから正団員になる道があります。
日本のバレエ団でソリスト、主役も踊っている人。学校公演ではセカンドまたはサードキャストの主役、という感じでした。
日本のバレエ団のアパレンティスという団員の一歩手前になる人。
日本でバレエ教室を開く人
他のバレエ学校に再入学する人。経済的に余裕がある、または奨学金がもらえるならこれもありです。

 

留学するような子はみんな海外のバレエ団に入って大活躍……と思いたいのですが、実際は結構厳しいようです。本人の希望もあるとは思うのですが、全員が海外のバレエ団に入っているわけではありません。また、日本のバレエ団でもジュニアカンパニーや、アパレンティスという見習いグループがあるバレエ団があり、すぐに正団員という訳には行かないようです。

昔と違って留学のハードルも低くなっている印象です。コンクールも増えているので、賞をとってスカラシップで入学するのが一番多いと思いますが、ワークショップに参加する、自分でビデオを送って入学するなどいくつか方法があります。

 

チャコットやマーティなど、オープンクラスの先生紹介を見てみてください。ほとんどの先生が海外経験を持っています。先生も日本のバレエ団員も、もはや留学経験自体は珍しくないのかもしれません。

 

もふこが見て一番驚いたのはテクニックもあり、学校公演でもセカンドキャストで真ん中を踊っていた子が帰国してすぐに先生になったことです。どこかのバレエ団に入るのかなと思ったのですが、意外でした。

ちなみに先生になるコースでめっちゃ真面目に学んでいた子は帰国して今全く別の仕事をしています。日本のどこでも先生として雇ってもらえる、または自分で教室を開くこともできそうなのですが。

私なら留学までしてディプロマとったらそれにしがみついてしまいそうですが切り替えの良さに脱帽です。

 

バレエ留学のリスク

おそらくみなさん考えると思うのですが、実際に日本人留学生をみているとさまざま理由で最初夢見ていたのとは違う結果になることがあるようでした。後悔しないように、海外生活への自分への適性をしっかり見極めることも必要になります。どんなに上手でぐるぐる回れても、体型を理由に退学を薦められることもあるそうです。

ちょっとやそっとじゃめげない精神力は大事かも。

怪我してしまう

これはプロになってもつきまとうリスクですが、肝心の期末テストの時に怪我で思うように力が発揮できない、あるいはそもそもテストが受けられない、という生徒が現地出身でも日本からの留学生でもいました。タイミングによってはバレエ団の受験に影響します。

 

外国が合わない

これが意外と多いようです。留学して、もう外国嫌になった。日本で踊る、という選択をする。これは悪いことではないと思うのですが、日本のバレエ団の待遇が気になるところ。

 

潰しが効かない

留学のハードルが低くなった分、留学してもプロダンサーになれない子ももちろん出てきます。というかプロになれない子の方が多いかもしれません。実際、この程度で留学できちゃうんだな、プロは厳しそうだなというレベルの子もいました。帰国して自立して生活できるのかな?という余計なお世話ですが。

ヨーロッパはどんな小さな国でも劇場と劇場付きのバレエ団、国立のバレエ学校がある様ですが、レベルは様々です。お国のお金事情も様々で、正直日本からの留学生受け入れはお金のために間口を広く取っている場合もあります。留学=バレエ団と考えない方が良いです。

バレエ留学経験が、日本で普通に就職しようとしたときにどれほど評価されるのかが見えません。外資系なら経歴を買ってくれそうなものですが新卒の未経験者を入社させるかどうか。

大学に入り直す、というのも選択のひとつかもしれませんがもちろん学費がさらにかかります。

バレエ嫌になる

これも意外とある。すっぱり辞めてしまう。

 

バレエ留学した後の目標設定

留学の目的は明確にしておいた方が良さそうです。海外のバレエ団に入りたいのか?日本のバレエ団に入りたいのか?先生になりたいのか?もし、先生になるのが目的なら先生になるコースに入った方が良いです。

ロシア人の先生によると、ロシアではバレエ教師になるのに5年かかるとか。バレエダンサー自体が公務員のような扱いだと思うので仕組みが全く異なるため単純に比較はできないのですが、日本ではめちゃくちゃな人も先生になることができるので変な癖のある生徒が量産されてしまったりするので、きちんと指導法やメソッドを学んだ先生が増えてほしいと思います。

 

バレエ留学するときの注意

個人的な意見ですが、少なくともディプロマをもらえるコースに行った方が良いと思いました。バレエだけではなく、座学や英語で卒論を書く必要があるので大変ですが、それだけの価値はあります。もしバレエを続けないとしても卒論を書くだけの語学力は帰国後の就職活動にも生きてきます。現地での就職の道も開けるかもしれません。

メンタルの強さはかなり必要なのかなと感じます。これはバレエダンサーという職業を選択する上でも相当大事になってきます。

 

バレエ留学=バレエ団ではない

述べてきた通り、留学したからバレエ団に入れる、というのが必ずしも当てはまる訳ではない。ただし人生にとってマイナスになることは絶対ないと思います。

できるならした方が良いと思うのですが、視野は広く持っておいた方が良いと思いました。10代で夢いっぱい、バレエしかない!と思っている状態でそれ以外の進路のことを考えるのは難しいと思います。バレエ留学したいという強い気持ちと、できる実力と財力があるなら、いったら良いと思う。ただし、本人あるいは親が思い描くような結果にならなくとも、それはそれで受け入れてあげてほしいと思います。海外で生活した経験は絶対無駄にはなりません。

 

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