10月に発表会を終え、ようやく総括する気になりました。ほぼ10年ぶりの舞台なのにグランパドドゥというものすごいチャレンジをして、思ったのはバレエって本当に難しいということ…半年間可能な限りのことをしたつもりですが、本番は満足からほど多い出来だったというのが正直なところです。
学びも多かったので、ここでまとめたいと思います。
ピルエットについて
大の苦手のピルエット、最後までポアントで安定して回れるレベルに持っていくことができませんでした。とりあえずバレエシューズでは回れるようになったのですが、ポアントでのピルエットは今後の課題です。半年ピルエットの試行錯誤して一番効果が大きいと感じた改善点は、
1回転目で顔を残さない
ということです。
1回転目から顔を残すイメージでやっていたのをやめたらかなりスムーズになりました。これに早く気づきたかった。
また色々な先生たちのアドバイスをもらったのですが、合うものと合わないものがありました。
ピルエットに効果があったもの
・背中を意識する
この「意識」、ってそもそも何って最初は思ったのですが、アンデダンのストニュー(例えば左手バーで、右足を後ろの5番にしてバーと反対方向にストニューする)をイメージするとわかりやすいと思いました。アンデオールストニューよりアンデダンの方がより背中を維持しようとすると思うのですが、その感じでピルエットの背中に気をつける。
・プレパレーションから体勢を変えない
プレパレーションをしてプリエからルルベに立ち上がった時に肩の位置がずれたり、上体が崩れるようです。正しいプレパレーションが前提ですが、そのままの肩の位置を保つイメージをすると割とうまくいく感じがしました。
・アンナバンの小指を内側に入れる
肩が上がらないよう注意が必要ですが、お盆を持っているような手の形のイメージでやる
ピルエットで自分には合わないと思ったやり方
・プレパレーションで腕と上体を回転方向に回す
先生によっては、プレパレーションの時点で上体を回転方向に回す、あるいは手を限界まで開く、みたいなことをおっしゃるのですが、このやり方だと私は振り回されすぎてしまいます。
別の先生曰く、体型によるとのこと。ウエスト周りが筒のような感じの方には効果がありそうですが、私はウエスト周りが平たい(薄い)体型をしており、この体型にはぶん回す方法は合わないようです。私も最初に習った時にプレパレーションの時点で回すような指導は受けなかったように記憶しているのですが、確かに効果のある人にはいい方法だと思います。
シューズとポアントのピルエットの違い
これは現在進行形で研究中ですが、シューズで回るのとポアントで回るのは結構違うと感じます。上に立とうとするとジャンプしてしまったり、とにかくたちあがりの練習をするのが重要だと思いました。あまり深く考えるとかえってわからなくなってくるのですが、体重をかなり前に置くのは効果があります。
上記でぶん回しは合わなかったと書きましたが、ポアントで手を限界まで開く意識をすると回転はできます。ただ、例えばテンポの早い曲とか、すぐに回らないといけないタイミングでそれが可能なのかが疑問です。
手を開いて集める時に一気に軸に乗れるから回れるのだと思うので、とにかくいかに軸に乗るかがポアントではより一層大事なんだということがよくわかります。手を振り回さなくても軸に乗れる方法を見つけたいと思います。
パドドゥの難しさ
何年ぶりかのパドドゥ、一番難しいと感じたのが「力を抜いて、何もしないで」と言われたことです。力を抜くってどこの力?全部?何もしないってどういうこと? 踊らなきゃいけないのに…と混乱して棒立ちのように手も足も出なくなってしまいました。
これに関しては愚痴になってしまいますが、先生もお相手の男性ももう少し具体的にどこの力を抜かないといけないのかとか説明して欲しかったです。お相手はプロ中のプロ、先生も現役のバレリーナなので当たり前にできることなのだと思いますが私には何をどうしていいのかさっぱりわからない、という感じでした。
友人や、知り合いのバレエの先生に色々相談して、最終的な私の理解は、普通に一人でアダージオを踊るようにのびのび踊るんですが、男性と組んでいるときにぎゅっと手を握ったり手や肩に力を入れない、ということではないかと。
これも今後の課題として持ち越しになりましたが、丹田と背中の意識をすると、みぞおちから上が自由にリラックスして動くようになるのかなという気がします。
ワガノワバレエ学校の生徒たちのように上半身を大きく使うのが理想なのですがなかなか難しい。
苦手意識のあるパドドゥ
正直昔からパドドゥに苦手意識があります。昔は一人で立て!男性に迷惑かけるなーみたいな指導を受け、今はもっと頼って!と言われる。大人リーナの皆さんがなぜこぞってパドドゥやりたがるか疑問です。一人で踊る方がよっぽど楽だと思うんですが。
結局レッスンが大事
正直に言って、大人からバレエを始めてポアント歴数年、みたいな人がパドドゥをやることは私は賛成できません。パドドゥってやっぱりきちんとポアントで立てて、一人で一通り踊れる人がやるものだと思っています。
今回ポアントでまともに踊るのもだいぶ久しぶりだったのですが、ポアントワークに苦労しました。ジャンプアップしてしまったり、ピルエットのプレパレーションからの立ち上がりが上手にできなかったり。
バレエシューズのレッスンだけでなく、ポアントクラスもしっかり日々受けて積み重ねていくのが大事だと痛感しました。
ポアント難民したのは時間のロスだった
フェッテならず
直前までフェッテ12回くらいをめどに練習してましたが舞台稽古でこれは無理と判断。
先生にお願いしてフェアテに変更しました・・・。
フェッテを一人で舞台でやるって相当むずい。と感じて終わり。練習した日々が無駄じゃないことを祈るばかり。
舞台はコンスタントに出るべし
今回10年ぶりくらいの舞台だったのですが、やはり本番は独特…今まで一度も失敗したことがないところで失敗したりということが実際にありました。
舞台慣れ、というのは本当に大事なんだなということを改めて認識しました。
来年も歯を食いしばってでも出ないとダメだな、と思っています。
楽屋での大人リーナさんのお振舞いと楽屋であったら便利なもの
想像通りすぎて笑えたくらいなのですが、今回大人の生徒は全員同じ楽屋。
大人の生徒の皆さん、鏡前と中央のテーブルと椅子を占拠、私は椅子さえない状態でした。
譲り合って、というような意識は皆無のようで。私は床ですよ床!!
ただこの状況は今のスタジオだけでなく、他のスタジオでも経験済み。
子供の頃は先生が楽屋のマナーとかうるさく言ってましたが大人バレエにそういうのはないようですね。先生は子供につきっきりですし。
でも譲り合って鏡の前使ってもいいんじゃないですかね…。
とりあえず、コストコで買った巨大なビーチタオル、スタンドミラーを持って行ったのは大正解。特にビーチタオルは廊下でのストレッチにも使えるし、かなり重宝します。
昭和のメイクと令和のメイク
事前にスタジオからチャコットが出しているメイクの参考動画が送られてきました。
昔のメイクと違ってかなり薄め。昔は線を引きまくっていたように記憶してますがそれもなし。シャドーとハイライトで立体感を出すのが中心で目にグイグイ書き込むような感じもない。
なるほど、と思って動画をみて予習をして行ったのですが、意外と周りの皆さんメイクが濃い。。昭和メイクやん。と思いました。
「皆さん意外と濃いめですね」と言ってみたら、
「昭和のメイクで習ったから」
だそうです。いや何のために動画送られてきたのか。アップデートした方がいいのでは。
チャコットのメイク動画
SNSで惑わされる
バレエとInstagram、Youtubeは相性がいいので一流のダンサーから大人から始めた人まであらゆる人が発信をしています。
その中から正しい情報、自分にとって有益な情報を取捨選択するのが結構難しい時代だなと感じました。
個人的にはポアントできちんと立ててない状態のバリエーションの写真とか、ガンガンあがってるのを見ると、その人の指導者はこれいいと思ってるのかな?と疑問に思います。先生の力量が疑われるのでは…。
同時に自分も安易にテクニック系の解説などはするべきではないなと痛感。
総括とこれから
本番があまりうまくいかず凹んでいましたが、とりあえずレッスン頻度は週2回くらいをキープして積み上げていくしかないな、と思っています。
今回は本当に辛かった。可能な限りレッスン頻度を増やし、最後の方は足も痛くて鍼治療に行ったり色々やって相当お金も使ってしまいました。
昭和バレエと現代バレエの違いもかなり感じました。自分が正しいと思っていたことが間違っていたり、ぜんぜん聞いたことがないことを言われたり。
来年はもう少し、気楽に発表会に出られたらなと思います。
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